カンボジア基本情報
国旗
青は王室の権威を、赤は国民の王室への忠誠心を、白は仏教徒を表します。
カンボジアはフランスの保護国だった時代、日本の領事時代、またその後は内戦が繰り返され、国旗は政変があるごとに、9回もデザインが変わっています。
そして、ポルポト政権崩壊後の国連が暫定的に統治していた時代を除いて、共通してアンコールワットが描かれています。
世界中の人々を魅了する、世界遺産アンコールワット。
壮大で神秘的なこの古代遺跡は、正にカンボジアの人々の誇りであり、この国のシンボルなのです。
首都(名前の由来)
首都プノンペンはカンボジアの経済、行政の中心です。
対して、アンコールワットのあるシェムリアップは観光の中心と言えるでしょう。
プノンペンの人口は約195万人、総人口が約1,600万人ですので約12%が首都に住んでいることになります。
近年の発展は目覚ましく、高層ビルやショッピングモールが次々と建てられ、特にコンドミニアムは建設ラッシュです。
私たちがよく滞在する王宮周辺もとても発展していて、日本人が生活しても殆ど不自由はありません。
「プノン」は「丘」を意味し、「ペン」は「女性の名前」です。
その昔、この国にペンさんというご夫人が住んでいました。
ある日、ペンさんの前を洪水によって大木が流れてきます。
気になったペンさんはその大木を辿り寄せると、中には5つの仏像が入っていたのです。
ペンさんはこの仏像を手厚く丘に祀り、そこをお寺としました。
この善行を称えるかのように、ここはいつしか「ペン夫人の丘(プノン)」と呼ばれるようになり、これがプノンペンという名前になったそうです。
そしてそのお寺はワットプノン(丘の上のお寺)と言い、そびえ立つ白い仏塔は、今でも首都のシンボルとなっています。
面積(位置)
面積は18.1万km2で日本の約2分の1です。
インドシナ半島の南西にあり、東から南にかけてはベトナム、北西はタイ、北はラオスと隣接、西南は海に面しています。
特にシアヌークビルは人気のビーチリゾートです。
首都プノンペンは中心より南に、世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップは中心より北に位置してます。
プノンペンからシェムリアップまでは、車やバスでも行けますが、その距離は300㎞、7時間はかかるでしょう。
飛行機なら50分ほどであっという間、どちらも行ってみたいですね。
人口(平均年齢・寿命)
2019年のデータでは約1,600万人。
そしてフンセン首相は2019年2月の演説で、カンボジアの人口は今後も1%から1.5%の割合で増え続け、2030年までに2,000万人、2050年には2,500万人に達するという予想を発表しました。
日本は人口約1億2千万人で、0.2~0.3%の人口減少が8年連続、続いています。
そしてカンボジアは平均年齢は26歳という若さ、日本は46才ですから20歳もの差があるのです。
この人口増加と平均年齢の若さを見ただけでも、カンボジアがますます成長する活気を感じます。
ただ、別項でご説明してますが、カンボジアには1970年代に世界を震撼させた内戦があり、当時の多くの大人は殺害されてしまったのです。
その方々が生きていたら、今70代や80代だったのですが、この世代の方々が非常に少ないのです。
カンボジアに行くと、本当にご年配の方が少ないことに気付くことになるでしょう。
男女合わせた平均寿命は、日本は84才で世界一ですが、カンボジアは70才。
ただ70才と言っても、乳児のうちに亡くなってしまうケースも少なくないので、日本より随分低い寿命に見えてしまいます。
実際には医療も日進月歩で発達し、平均寿命もどんどん伸びています。
民族(特徴)
90%がクメール人と言われています。
クメール人は東南アジアの民族で、タイ、ベトナム、ラオスにも住んでいて、肌の色が濃く、頭髪や体毛も多い民族です。
ただカンボジアには華僑・華人も非常に多く、その血を受け継いでいる華僑系クメール人もかなりの割合でしょう。
私たちの親しくしている人、例えば現地マネージャーは父親は生粋のクメール人ですが、母親は両親が中国人。
マネージャーの奥さんも運転手さんも華僑系です。
ですから中国の血筋が濃いカンボジアの人は、外見的には日本人と似ている人も結構います。
カンボジアの男性の平均身長が165㎝ほどで約170㎝の日本と比べても小柄な感じがします。
女性はカンボジアが155㎝くらい、日本が158㎝です。
180㎝を超えるような大きい人はなかなか見かけませんが、最近の十代の若い人は結構背の高い人が増えてきました。
またやせ形の人が多く、お腹が極端に出ていて太っている人もあまり見かけません。
髪の毛が濃いのも特徴です。こちらは知り合いの村長、80才でフサフサです。
宗教
日本と同じ仏教徒が90%以上です。
ただし、日本は大乗仏教という「お釈迦様の教えで、全ての人が救われる」という考えに対して、カンボジアの仏教は小乗仏教。
正式には上座部仏教と言い「戒律を守り修行したものだけが成仏できる」という考えです。
よって修業をしない一般の人は、お釈迦様、仏教、僧侶を敬う気持ちをとても強く持っています。
そして、小さな子供でもちょっとしたお経を唱えることができますし、お寺に行けば服装やお焼香の作法などもしっかりとできている方が殆どです。
家やお店には必ず仏壇があり、手を合わせるのが習慣となっているのです。
信仰心の深い人々にとって、仏様をおろそかに扱うような行いは厳禁です。
仏様に足を向けないとか、お参りするときは帽子を脱ぐとか、仏様を見たら手を合わせるとか自然とできるようになれば、とても好感を持っていただけることでしょう。
時差
日本との時差は2時間で、日本の方が進んでいます。
例えば、日本が朝の9時だったら、カンボジアは朝の7時です。
この2時間の時差が、到着後の数日は結構大きいです。
いつも朝5時に起きる人だと、カンボジアだと夜中の3時、外は真っ暗、外に出るには早すぎて退屈してしまいます。
5日もすれば慣れるでしょう。
言語(挨拶)
公用語はクメール語(カンボジア語)です。
語順は基本的には英語と同じ、主語+述語+目的語ですが、形容詞の位置、疑問形、否定形などは英語と異なります。
クメール文字だけでなく、同じ東南アジアのタイ文字、ラオス文字、ビルマ文字は、起源が古代インドにあり、日本語とも英語とも全く異なる形をしています。
日本にはない発音が多く、カタカナで表現できない言葉ばかりです。
ありがとう=オークン、くらいなら直ぐに伝わるのですが、本来の発音は現地の人の言葉を何度も聞いて覚えるしかないでしょう。
クメール語(カンボジア語)の挨拶
おはようございます(こんにちは・こんばんは) → チェムリアップ スオ
こんにちは → スオ スダイ
さようなら → チュエムリアップ リア
ありがとう → オークン
元気です → ソク サバイ
すみません → ソム トーホ
日本 → ジャポン
気候・服装
カンボジアは熱帯モンスーン気候に属し、一年を通じて日本の夏のような気候です。
最高気温は30℃~35℃、最低気温が20℃~25℃と思っておけばいいでしょう。
暑さに耐えられるかな?と不安に思う方もいますが、日本の真夏の方が暑い日もありますから、暑さ対策さえしっかりしていれば、過ごせないことはありません。
また、プノンペンとシェムリアップでの大きな気温の差はありません。
そして、日本のような四季はなく、大きく雨季と乾季に分かれます。
乾季は11月~5月中旬。特に11月~1月頃には、雨もほとんど降らないので観光にはおすすめの時期です。
5月下旬〜10月下旬が雨季です。雨は日本の梅雨のようにシトシトと一日中降り続けるのではなく、バケツをひっくり返したような大雨が1~2時間続きます。
この大雨は傘を持って歩くというレベルではないので、車の移動にするか、雨宿りするしかありません。
1年を通じて基本的には日本の夏の服装で大丈夫ですが、12月~1月は半袖では寒い日があったり、飲食店内などエアコンが効きすぎていることがありますので、長袖シャツを1枚持っていると安心です。
また、観光でお寺に行く場合は、露出の多い服装だと入れない場合があります。
ノースリーブやタンクトップ、ショートパンツ、サンダルといった、肩や膝を出した格好では、入場できない寺院もあるので注意です。
靴は履き慣れた歩きやすい靴で。舗装されていない道が多く、サンダルでは土や砂ぼこりで汚れます。
でも、ホテルに戻ったあとの散策や部屋履き用に、サンダルもあると便利です。
通貨
カンボジアの通貨はRiel(リエル)です。1リエルが0.03円、1円以下なので日本人にとっては計算しずらい金額です。
そこで、だいたいですが「4,000リエル=1$=100円」くらいで概算しています。
リエル紙幣は50リエルから10万リエルまで11種類もあり、慣れるまで時間がかかります。
但し、カンボジアには米ドル(USドル)が流通していて、どこでも米ドルが使えるのです。
屋台やトゥクトゥクでも米ドルが使えるのですが、おつりはリエルで返ってくることも多く、 また「細かいおつりがない」と言われてしまうこともあるので、やはりリエルの計算と、少額でもリエルの準備が必要です。
両替は空港やホテルでもできますが、街中の方がレートがよいでしょう。
もちろん日本円からリエル、日本円から米ドルへの両替が可能です。
入出国(ビザ)
カンボジアに行くには観光でもビジネスでもビザが必要です。多くの方が取得する観光ビザ(ツーリストビザ)には2種類あります。
シングルは1回限り、1度の入国・出国に限り使えます。マルチプルは有効期間内なら何度でも往復でき、1年、2年、3年の期間があります。
観光以外はビジネスビザとなり、観光のマルチプル同様に期間を選択できます。
ビザの取得は、日本にあるカンボジア大使館や領事館なら1~2営業日で発給されます。
またはインターネットの「eビザ」で取得することもできます。
プノンペン、シェムリアップなどの空港に着いてから窓口で取得することもできますが、できれば渡航前に取得しておいた方がいいでしょう。
またビザ入国にあたっては、カンボジア入国予定日から6ヵ月以上の残存有効期間が必要となります。
詳しくは在日本カンボジア王国大使館や、旅行会社へお問い合わせください。
教育・学校
カンボジアは、小学校6年、中学校3年、高校3年が義務教育で、授業は月曜から土曜までで日曜がお休みという、日本と同じ制度となっています。
ところが、多くの学校が、午前中と午後の授業の交代制なのです。
例えば、今月は午前の授業、来月は午後の授業と‥交代していくのです。
これは内戦によって学校も崩壊され、また教員も不足してしまったことが影響しているのです。
そして午前の授業は7時から11時まで、午後は13時から17時までです。1日4時間ですから勉強が足りません。
そこで多くの子ども達は塾に通ったり、学校の先生が有料で教えてくれる補習授業に参加して、時間の不足を補っているのです。
また中学3年と高校3年には卒業試験があるのですが、これが形だけの試験ではなく、結構厳しいのです。
点数や出席日数が足りないと、本当に卒業できず留年しますので生徒は必死になります。
必須科目は、国語(クメール語)、数学、歴史、生物、英語(またはフランス語)、化学など。体育、芸術、裁縫、農業なども選べます。
更に義務教育と言っても、日本のように殆どの子供が年齢通りに小・中・高に進んで卒業しているわけではありません。
実際に私たちが運営している施設の子供であっても、小学校や中学校を中退してしまった子もめずらしくありません。
また、家庭環境や近所に学校がなかったりなどが理由で、学校に行けるようになった年齢も様々です。
うちの施設にも「もう13才なのにまだ4年生で恥ずかしいよ!」って言ってる子もいます。
そして、学校の休みは主に2つの期間、カンボジアのお正月にあたる4月6日から19日まで、もう1つは8月1日から9月の下旬までの2ヶ月近い長いお休みです。
この休みが終わると新学年となりますので、ここは日本とは全く時期が異なります。
祝日・祭日
カンボジアにはたくさんの祝日、祭日があります。特にお正月が3回もあるのには驚いてしまいます。
1月1日、そして4月はカンボジアお正月、その間の2月には中国歴の旧正月もあって、正式なお休みではないものの多くの国民は休んでいます。
知らなかったころは「またお正月?」「また休み?」なんて会話をよくしていたものでした。
そして、祝日が土曜日もしくは日曜日に重なった場合は振替休日が適用されます。
2021年の祝日
1月1日(水) インターナショナルニューイヤー(新年)
1月7日(火) ポルポト政権からの解放日
3月8日(日) 国際婦人の日
4月14日(水)~16日(金) カンボジアのお正月
4月26日(月) 仏誕節・釈迦誕生(ピサック・ボーチャー)
4月30日(日) 王室始耕祭
5月1日(土) 国際労働者の日(メーデー)
5月14日(金) シハモニー国王誕生日祭
6月18日(金) モニク前王妃誕生日
9月24日(金) 憲法記念日
10月5日(火)~10月7日(木) プチュン・バン(万霊祭・お盆)
10月15日(金) シハヌーク前国王追悼記念日(命日)
10月29日(金) シハモニ国王即位記念日
11月9日(火) 独立記念日
11月18日(木)~11月20日(土) 水祭り
飲料水
東南アジアの他の国と比べると、水はかなり衛生的になってきました。
それでも水道水は飲めませんので、コンビニなどでミネラルウォーターを購入して下さい。日本と同じメーカーのミネラルウォーターもあるので安心です。
ホテルの冷蔵庫に入っているミネラルウォーターも大丈夫かとは思うのですが、ちょっと変色している場合もあるので、その時は注意した方がいいでしょう。
レストランで出されるお水や氷も同様に注意して下さい。
そして、シャワー程度なら問題ありませんが、私はうがいや歯磨きもミネラルウォーターにしています。
海外でお腹を壊すと出かけるにも、帰国するにも大変なので、慎重に行動することをおすすめします。