サスィートーン(ネーン)先生
泰日経済技術振興協会 付属タイ語学校 サスィートーン(ネーン)先生
タイ語学学校と言えば“ソーソートー”の通称で知られる、バンコクの泰日経済技術振興協会の付属語学学校がとても有名で、多くの日本人がここでタイ語を学んでいます。
今回はここソーソートーで、2012年から日本人にタイ語を教えている、ネーン先生からお話を伺いました。
ソーソートーは1973年に、日本の技術をタイに普及させることを目的として設立されました。
しかしそこには言葉の壁があったことから、技術の普及機関と同時に語学学校を併設したのです。
ですからここは日本の技術と共に発展していった、タイでいちばん歴史のある語学学校なのです。
ネーン先生インタビュー
先ずは先生が日本語ペラペラなのにビックリです。
どんなきっかけで日本語を学び始めたのですか?
私は中学生の時にX-JAPANが大好きになりました。特にHideさんです。
そこでX-JAPANを歌いたい、歌詞の意味が知りたいって気持ちになって、先ずはひらがなを勉強しました。
あとX-JAPANが載ってる日本の雑誌を買って読んでみたりとか。
でも自分で勉強するには限界があって、日本の文法とか難しいですからね。
そこで、高校二年生の時の同級生が「ソーソートーで一緒に日本語を勉強しよう」と誘われたのがきっかけで、ここで本格的に勉強することになったのです。
高校を卒業して大学に入ってからも副専攻で日本語を勉強しました。
タイ人は日本のアニメとかアイドルとかに興味を持って、日本語の勉強を始める人が結構多いんですよ。
あっ、私B’zも好きです。かっこいいですよね。
ソーソートーにはどんな日本人が通っていますか?
平日の日中は駐在員の奥さんが多いですね。夜や土日は駐在員さんも来てます。
大学生は殆どいないと思います。若い人だと20代半ばの方ならいますし、リタイヤして移住している人も来てますから、70代の人もいますよ。
ここには1年で600人~800人の日本人が学んでいます。
直ぐに辞めてしまう方もいますが、合計するとかなりの数になるんです。
タイ人に日本語を教えてもいますから、タイ人の数はもっと多いですよ。
日本旅行の前に1ヶ月くらいだけの人もいますけど、合計すると1年で1,000人くらい来てます。
特に土日はほとんどタイ人、教室が足りないくらいです。
日本語を勉強しているタイ人は、日本の企業で働いている人もたくさん来てます。
日本のレストランとかビジネスが増えてますからね。
日本人とタイ人がいるので、交流できるのもここの楽しいところです。
トピックを決めて話し合う時間もありますし、遠足もとっても楽しみです。
この前はみんなでバスに乗って、サムプラカーンの水上マーケットに行ってきました。
日本語と英語は文法が随分違いますが、タイ語はどうなんでしょう?
英語に近いですね。主語、動詞、目的語・・。ただ、気持ちを伝える表現は日本語に近いです。
例えば、何かをプレゼントされて、実は好きではない物だった時、英語ではハッキリと「いりません」って言うんでしょうが、タイ語では「・・ちょっと今回は・・、あんまり好きでは・・」みたいな遠回しな表現を使います。
「あんまり・・」「そんなに・・」とか相手に気を使いながら伝える表現があるんです。
こういうところは日本と似てますね。そういうところは合うのかもしれませんね。
言いたいことをハッキリ言わないような。
日本語はとても単語が多いですが、タイ語はどうですか?
日本語を殆ど理解するには10,000語、英語だったら3,000語必要と言われますが、タイ語の日常会話だけなら2,000語覚えればだいたい伝えることができます。
その先は大変ですよ。王室やお坊さんに使う言葉は全然違いますからね。
実際にはタイ語は2万語もあるんです。
それとタイ語は複合語が多いんです。
「水(ナーム)」「心(ヂャイ)」で「思いやり(ナーム ヂャイ)」とかね。
あと、「水(ナーム)」に「目(ター)」で「涙(ナムター)」、これは分かりやすいですね。
こういう単語と単語を合わせた言葉が多いので、一つの単語を覚えると広がりがあります。
日本人がタイ語を勉強するコツは?
先ずは単語をいっぱい覚えた方がいいですか?
何からスタートすればいいでしょう?
タイ語は発音がとても大事なので、先ずはたくさん聞くことが大事です。
意味は分からなくても、ひたすら耳が慣れるまで聞くことです。
ラジオ、テレビ、歌でもいい。もちろんテキストでもいいです。
日本にはない発音がたくさんありますから、たくさん聞いて、発音して、誰かに聞いてもらう、インプットが大切です。
せっかく覚えたのに、発音が違ったらタイ人には通じませんよ。
日本にはない発音が多いから、日本語では使わない筋肉を使うんです。
最初は顔がいたくなるって聞きますよ。
王宮はとても大切な場所ですから、タイに来たら必ず行ってもらいたいです。
日本には何度も行ったことがあるのですか?
はい、日本人と結婚していますからね。
主人の実家は栃木県の宇都宮で、義母は埼玉の川越出身です。
私は日本の自然が好きなので、栃木の日光もいいですね。東京だったら上野のアメ横とか浅草寺も好きですね。
今度は10月に日本に行く予定です。5才と2才の娘を連れて初のディズニーランドに行くのがとても楽しみです。
去年は横浜のアンパンマンミュージアムにも行きました。
あとはまだ行ったことないのですが、いつか家族で北海道と沖縄にも行ってみたいです。
日本について聞きたのですが、先生から見て日本人のいいところは?
やっぱり真面目なところ。ちゃんと決まったことをやること、時間やルールを守ることもそうです。
そういうところは他の国の人にはないんじゃないかな。
気を付けてほしいところは?
タイの人と仲良くなりたいなら、タイの状況をもっと理解してほしいと思うこともあります。
よく“タイ人は時間に遅れる“って言われますが、日本に比べたら電車の線路も少ないし、すごい渋滞ですからね。
全部を日本と同じ状況で決めないで、あまり厳しくしないでほしいです。
あと、歩きタバコは良くないですよ。日本人のいいイメージは崩さないでほしいですね。
タイのおすすめの観光地を教えて下さい。
個人的にはホアヒンです。
バンコクから下に向かって、車で3時間くらいの静かなビーチリゾートです。
石が多いので、ホアヒンは「石の頭」って意味があります。
バンコクだとしたら、やっぱりスクンビットのあたりが便利でいいででしょうね。
日本人も多いですし、ショッピングもレストランも、何でもありますね。
※画像提供:タイ国政府観光庁
おすすめタイ料理は?
辛いものになりますが、ナムプリックです。
これはディップして食べるものです。
とうがらし、にんにく、玉ねぎとか、色々なものをすり潰して、ご飯と一緒に食べたり、生野菜を付けても食べます。
これは「タイ人の心」と言っても過言ではないです。
中部でもイサーンでも、どの地域にもあって、土地による味があるんです。
(スマホで検索してくれて)これはチェンマイ北部のナンプリック、豚の皮を上げたものに付けて食べるんです。
タイ人が長く外国に行っていて「何食べたい?」って聞かれたら、ソムタムの次にナムプリックでしょうね。
故郷の味を思い出して、たまには帰ろうかな~って気持ちになるんですよ。
日本の皆さんもタイに来たら、ぜひ食べてみて下さいね!
ありがとうございました。
インタビューの後も、学校全体を案内してくれたネーン先生。
ずっと笑顔で親切に教えてくれました。
先生が歩くとたくさんの生徒さんたちが寄ってきます。
こんな素敵な先生がいたら、タイ語もどんどん上達するでしょうね。
泰日経済技術振興協会付属語学学校 本部(スクンビット校)
【場所】 5-7 Sukhumvit Soi 29, Klongtoey Nua, Vadhana, Bangkok 10110, Thailand
【電話】 +66(0)2258-0320, +66(0)2259-9160 内線 1650, 1651, 1652
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