ラオスの魅力


ラオスが急成長していくこれだけの理由

ラオスが急成長していくこれだけの理由

タイ一局集中に陰り

日本企業の進出国ランキングでは、1位に中国、2位がアメリカではありますが、4位タイ、5位インドネシア、6位ベトナム、8位フィリピン、9位マレーシア、10位シンガポールと、ベスト10のうちASEAN諸国(東南アジア諸国連合)が実に6か国も入っているのです。


東南アジアへの進出メリットは、安価な物価、まじめで親日な国民性、投資の優遇、外資の規制緩和など、様々な要因がありますが、その中でも特に進出企業が多いのはタイで、その数は既に5,000社を超えています。

ところがタイも今や人件費や電力も高騰し、政治混乱も納まりを見せません。

また2011年に起きた大洪水では、多くの日本企業の工場の操業は停止し、特にタイ一局集中だった企業は特に大損害を被りました。

更に2031年に超高齢化社会に突入し、人口ボーナス期(生産年齢15才~65才の人口比率が多い経済発展の時期)は終了してしまうのです。

タイ一局集中に陰り

タイプラスワンの注目国

こうした背景を踏まえ、近年ではタイからより人件費の安い周辺国に工場を移管したり、新たに製造拠点を設けるという動きが急速に進んでいて、これを「タイプラスワン」と言います。

そのタイプラスワンの国として、カンボジア、ミャンマー、そしてラオスの3か国が注目されているのです。


実際に「日本企業の進出が加速している国」のランキングでは、1位にミャンマー、2位にカンボジアと、トップをタイプラスワンが独占。

ラオスは20位までに入ってはいないものの、それは人口690万人というマーケットの小ささの影響もあるのでしょう。


ラオスは高騰したタイの労働力と比べて、3分の1から5分の1とも言われ、これはミャンマーやカンボジアよりも安価なのです。

また政治も安定していて、自然災害も目立ったものはありません。

こうした要素からも、今後は進出国ランキングの上位に入ってくることは確実視されているのです。

タイプラスワンの注目国

資源が豊富な水と森の国

ラオスは本州と同じほどの面積で、そのうちの80%が山岳地帯と日本に近い地形をしています。

「森の国」と言われるほど森林が多く、現在は減少傾向もあるものの、過去には国土の約70%は森林で、その森林資源である木材の輸出も大きな国益でした。


またメコン川の豊富な水資源を生かした、水力発電による輸出を積極的に推進していて、今や「東南アジアのバッテリー」と言われるほどの電力輸出国となっているです。

この水力発電所の開発はタイや中国だけでなく、日本企業も関わり今後もますます稼働が増えていきます。


更に「ラオスは宝物の上に座っている」ということわざがあり、金や銅、石炭や鉄などの鉱物資源がとても豊富な国なのです。

ところが長期間続いた内戦や革命、社会主義国家成立の影響もありこれまであまり採掘されてなかったのです。

それが2,000年代から採掘されるようになり、ラオス経済の重要な資金源になると、世界的な脚光を浴びるようになったのです。

今は鉱物の輸出は総額の4割となり、電力輸出の3割を超えるほどの主要な輸出産品となったのです。


ラオスは正に「資源が豊富な水と森の国」、これが今後の発展やビジネスに於いても大きなメリットとなっているのです。

資源が豊富な水と森のラオス

魅力ある若さと経済成長率

ラオスの平均年齢は23歳という若さ、これはカンボジアの26歳、ミャンマーの28歳よりも若く、ASEANで最も若い国なのです。

ちなみにタイは38歳、日本は46歳と高齢化がはっきりと数字に出ています。

若く豊富な労働力は、大きな税収を生み、医療や福祉への負担が少ない人口層は貯蓄率をも上げることになるでしょう。


この若さを原動力として、ラオスの経済成長率は2,000年から6%を超え、その後7%から8%を維持。

2018年は6.5%と好調を保っており、当面2024年までの予測データでも同様の率が予測されています。

2018年の世界経済成長率ランキングでは世界19位、ちなみに日本は0.8%と166位と下位に位置しています。


GDP(国内総生産)は、18.43(10億USD)%とASEANの中でブルネイに次いで下から2番目ではありますが、一人当たりのGDPは2,720USDと、これはカンボジアやミャンマー、そしてベトナムをも上回る数字なのです。

ラオス魅力ある若さと経済成長率

最貧国からの脱却

このような高い経済成長を続けてはいますが、それでも国連の基準では最貧国(後発途上国)に分類されております。

ASEANとしても、ラオスの発展は東南アジア全体の繁栄に不可欠であるという見解を持っていることから、ラオス政府もこうした認識を踏まえて「2020年までに最貧国からの脱却」を目標に掲げたのです。

それは、経済、社会、環境の3つの成果を挙げ、この成果の実現を通じてSDGs達成に向けた発展を確保し、最貧国から脱却するという国家計画です。

日本もこの計画に力強く取り組んでいく方針を表明し、周辺国との連携強化、産業の多角化、中小企業の発展、人材の育成、環境や文化保全などを課題とし協力を続けているのです。


残念ながら、昨年2018年の通常国会においてトンルン首相は「2020年までの脱却は不可能」と明らかにしました。

ただそれは「2020年までに」という期限の中での実現のことであり、それでもこれだけの成長率を維持発展させている事実は、魅力以外の何もありません。


「最貧国」と聞くと、飢餓に苦しむような干ばつの環境を想像してしまう人もいるでしょうが、タイプラスワンのカンボジアもミャンマーも、国連基準では同じ位置づけの最貧国。

これから益々発展する国という位置づけなのです。

ラオス最貧国からの脱却

進むインフラ整備

最貧国から脱却するためにも、ラオス政府はインフラ整備に注力しています。

電力においては水力発電所と送電線網の開発を進めること。水道は国を挙げて上下水道の整備を進めていて、2020年までに都市部の水道普及率を80%に制定。

またインターネットの普及も進み、ヴィエンチャンにいてWiFiに困ることは殆どありません。

そして物流の重要課題となる道路の整備。ラオスは5か国に囲まれている内陸国ですから、この立地は大変な価値があり、今や隣国への物流を円滑にするためにも、道路整備は急務で進められているのが目に見えて分かります。


そしてラオスは伝統的な親日国であり、両国には60年を超える親交があります。

日本からも、ダムや橋の整備を進め、更に「共同計画」として、「メコン地域のハブ」を目指し、道路、橋梁、通関改善、国境チェックポイントの整備、ヴィエンチャン国際空港の整備と運営、地方航空の安全整備、電源・総電源整備などに両国は協力しながら実施しているのです。


「最貧国」を想像して行ったら、先ずヴィエンチャンの空港に着いた時点で驚くことでしょう。

近代的かつ衛生的な空港、そこから広がる整備された広い道路。「こんなに発展してるの?すごい!」と、行く度に進化を実感できる国なのです。

ラオス進むインフラ整備

投資奨励や経済特区で海外企業を誘致

魅力あるラオスに進出、日本人が起業すると言っても何でもやっていいわけではありません。

陸上乗客輸送、印刷業、テレビやラジオ局、生薬、電気、水道管、エアコン、民間クリニック、革製品修理などはラオス国籍者のみが可能。

水力発電、自動車やバイクの修理、ホテルなど宿泊施設なども規制業種として、規模によっては日本人では行えない事業もあります。


更に、ネガティブリストに挙げられている、農林業、加工業、水道、倉庫、ホテル、レストラン、情報通信、金融、教育、保健、娯楽などは担当省庁による審査が必要となっています。


一方で投資奨励分野という事業もあり、これは毎年ラオス政府が発表するのですが、指定された事業は、各種の優遇措置を受けることができるのです。

例えば、自動車と部品、鉄鋼、クリエイティブ、船や飛行機の修理、産業廃棄物、病院、エネルギーなどが指定されています。

またラオスには経済特区(PEZE)があり、そこでも事業を指定し優遇措置を設けることで外国企業の進出を誘致しています。

これには輸出向けの製造業、ITサービスの輸出、観光、医療観光、農産物加工の輸出、バイオ燃料製造、運輸などが入っています。

こうしてラオスは外国企業を積極的に受け入れることで、産業育成、雇用創出を目指しているのです。

ラオス投資奨励や経済特区で海外企業を誘致

日本との直行便就航、ますます増える日系企業

ラオス国営航空が、日本とラオスの直行便の就航を発表しました。

初フライトは2019年11月29日、日本の空港は熊本空港に決まりました。

首都ヴィエンチャンから週2便、世界遺産ルアンパバーンからも週2便と、主要な二都市に直接行けるという、待ちに待った直行便がいよいよ誕生するのです。


初の直行便ができる今は特にビジネスチャンスと言えるでしょう。

ラオスには現在約900人の日本人がいるとされ、現在の日本企業の進出状況は、外務省の統計では2011年に92社、2017年の日系企業数は135社ですから、6年で約4割も増えてることになります。

但し、この数字はあくまでもラオス投資庁や外務省で把握している数字であり、実際にはこれよりもっと多くの会社や店舗が増えているのです。

直行便により日本から観光客は数倍に増えることから、その方々を対象としたサービスだけを考えても大いに需要があるのです。

日本とのラオス直行便就航、ますます増える日系企業

他の記事を見る →