ワット・サマーン・ラッタナーラーム
巨大なピンクのガネーシャ
3倍のスピードで願いがかなうお寺
タイのチャチュンサオ県にワット・サマーン・ラッタナーラームというお寺があります。
長い名前ですが大きなピンクのガネーシャと言えば、皆が知っている大変有名なお寺です。
ガネーシャはヒンドゥー教の神様で、頭が象で体が人間という特徴的な姿が親しまれています。
富や学問にご利益あることから、商人や学生に人気のある神様です。
特にここのガネーシャは“お願いごとを叶えてくれるのがとても速い”と有名で、その速さは“他のお寺の3倍”とも言われているのです。
高さ22m、横幅は16mという超巨大なガネーシャ。
枕を脇に抱えて、リラックスして寝転がっている珍しい姿です。
小さな目に大きなお腹、しかも色がこのピンクですから、すごいインパクトで、今やインスタ映えスポットとしても人気を博しています。
お願いの仕方も特徴があって、このガネーシャに直接お願いするのではなく、近くにいるネズミからガネーシャに伝言してもらうのです。
ネズミの耳にこっそりと、声がもれないように伝えます。真剣なお願い事もあるのでしょうが、微笑ましい姿になってしまいますね。
日本の人気アニメフィギュアが勢ぞろい
このお寺はガネーシャばかりが注目されがちですが、実際に行ってみると、見どころ満載で、特に日本人は大喜びするでしょう。
そこには、ドラえもん、ピカチュー、ドラゴンボール、一休さんなど、日本の人気アニメの等身大フィギュアが勢ぞろいしているのです。
どうしてお寺にアニメがいっぱいあるのか住職に聞いてみました。笑顔の素敵なとても優しそうな住職です。
「日本のアニメはタイでとても人気がありますからね。子供にお寺に来る習慣を身につけてもらうために置きました。タイの人は信仰が深いので、お寺に通うのは生活の一部です。こうした文化がなくならないように、子供向けに工夫をしたのです。
今や“子供が訪れる場所”のランキングで、このお寺はサイアムパラゴンデパートについて2位なんですよ。」
タイ版の座敷わらし“ウマトーン”
更にお願いごとを叶えてくれるのはガネーシャだけではありません。
人の背丈ほどの祠にも次々と参拝者が訪れています。
「その昔、この辺りに住む人が赤いズボンをはいた子供の幽霊を見かけました。その人は『家がないのではかわいそうだ』と、その幽霊に祠を建ててあげたのです。するとその人はお金持ちになったという言い伝えがあります。それからここの祠にはたくさんの人が訪れるようになったのです。」
日本で言えば、家の福の神、座敷わらしのような神様なのでしょう。
“人に親切にしてあげれば、必ず自分に返ってくる”というタイがとても大切にしている考え方です。
言い伝え通り、子供の神様もご利益があるんですか?
「それはお供えものの数を見ればわかるでしょう。これはウマトーンへのお礼に持ってこられたものです。毎日おもちゃとお菓子であふれてますよ」
帰り道、これからお寺へ遊びに行くという幼稚園児たちとすれ違いました。
早くフィギュアを見たいのでみんな早足で、ニコニコ。このお寺に行く時間が大好きなのでしょう。