世界最大の黄金仏 ワット・トライミット
黄金の仏像の歴史
バンコクのチャイナタウン、ヤワラー通りにはこのエリアのシンボル中華門がそびえ立ちます。
この活気にあふれる街で更に賑わっているのが、13世紀の中頃に建立されたお寺、ワット・トライミット。
白を基調に複数の金の屋根、中央の尖塔は天高く、まるでヨーロッパのお城のようです。
タイのお寺としてはそれほど広くはありませんが、本堂の二階と三階は資料館になっていて、中華街の歴史や仏像の構造や作り方を学ぶこともできます。
ここには約700年前に造られた仏像が祀られています。
そしてこの仏像こそが、世界最大の黄金仏なのです。
金箔で覆われている仏像は数多くありますが、この仏像は全てがトーンノパクンというほぼ純金。
高さは3メートル、全重量は5.5トン、時価総額では120億円とも推定されています。
そしてこの黄金仏、なんと昔は僧侶もいない廃寺に粗末に置かれていたのです。
なぜこれほどの黄金仏がそんな扱いだったかというと、当時はビルマ軍からの略奪から守るために、黄金仏はカモフラージュされ、黒の漆喰(しっくい)が塗られていたのです。
1953年、この廃寺を工事することになった時、この仏像をクレーンで移動しようとしました。
クレーンで持ち上げた仏像は見た目以上に重く、工事を中断、その日は仏像を外に放置しました。
ところが、その夜は大嵐。仏像は強い雨と風にさらされ、塗られていた漆喰がはがれ、そこから黄金の仏像が現れたのです。
その昔は特に目立つこともなく、近所の華僑の方々がお参りする程度の普通のお寺でしたが、今や改装され、黄金仏だけでなく、壁の装飾に天蓋、釣鐘、いたるところが輝く美しい寺院となりました。
更に黄金仏は1991年にはギネスブックにも認定され、タイ全土だけでなく、世界中の観光客が訪れる名刹です。
ワット・トライミット(Wat Trimit)
【住所】Thanon Mittaphap Thai-China, Talat Noi, Samphanthawong, Bangkok 10100
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